養殖一筋、百年間。
東かがわ市引田発祥、百年の知恵を受け継ぎ、次の百年へ。
1927年、あるひとりの水産家が漁獲が頭打ちになっていた引田の窮状を救うため「安戸池」でハマチ養殖に着手。翌年に世界で初めてハマチの養殖を成功させました。
そこから約百年、幾度となく訪れる赤潮との戦い。赤潮対策から生まれた、引田の海の深さを活かした生簀、海を汚さない餌の開発、健康を維持する給餌・育成方法の追求を重ねてきました。
服部水産は、日本のハマチ養殖史とともに歩んできた生粋の養殖企業です。昨今は、カンパチ養殖・サーモン養殖にも力を入れています。
祖父の代からスタートしたハマチ養殖業。受け継がれた魚、海、天候の知恵や教えを大事にしています。
「誰もやらないことをやる」、それが服部家の伝統です。地元特産品を餌に使ったブランド魚開発。さらに、少数出荷への対応、シェフとの直接取引による品質の改善など、誰もやらないことを常にやり続けています。
※ 写真左から、服部郁弘(2代目)、服部秀俊(3代目)、服部健太郎(4代目)。
持続可能性に配慮した養殖を目指し、香川県で初めてマリン・エコラベル・ジャパン認証(MEL認証)を取得。社会的責任、水産物の健康と福祉、食品安全性、環境保全への配慮の4つの規格の審査をクリアしています。
受け継がれてきた引田の養殖のバトンを繋いでいくため、海、魚、人にやさしい水産業にこだわり続けています。
服部水産が開拓し、養殖技術を磨いた沖合漁場
引田沖合漁場
服部水産は、赤潮に対抗するために「沖合」かつ「深い生簀」で育てる技術を磨いてきました。沖合だから潮が速く赤潮の影響を受けづらい。さらに生簀自体に深さがあるため、たとえ表層付近の状態が悪くても、魚は自ら深場に移動し最適な潮の中に身を置いて成長します。服部水産が開拓し、今なお養殖技術の研鑽の場である沖合漁場では、「百年はまち」と「百年かんぱち」を生産しています。
日本で初めてハマチ養殖を成功させた塩水湖
安戸池
1927年、あるひとりの水産家が「安戸池」でのハマチ養殖に着手。翌年に世界で初めてハマチの養殖を成功させました。外海と2つの水路でつながった安戸池は年中環境が安定しています。言うなれば天然の生け簀。世界屈指のサーモン生産地である北欧のフィヨルドにも通じるものがあります。現在では「百年サーモン」生産拠点となっています。
服部水産百年史
1927 | 香川県引田漁協から安戸池産はまち初出荷。 |
1943-5 | 戦争で中断、終戦後再開。 |
1960 | 沖合養殖の開始。初代服部武近の溶接技術が荒波にさらされる沖合養殖生簀に活きた。 |
1988 | 生簀の大型化に着手。同時に生餌が手に入らなくなったため餌の使用量を減らすEPへ移行。 |
2006 | 抗酸化作用を持つ米由来成分を配合した餌で飼育した「米米はまち」を発売。 |
2008 | オリーブ配合餌による「オリーブハマチ」を開発。 |
2011 | 東日本大震災をきっかけに「讃岐さーもん」の生産開始。 |
2023 | 百年の集大成「百年はまち」の誕生。人工種苗を用いた完全養殖版の発売開始。 |
2024 | 香川県引田発祥の養殖魚シリーズ「百年シリーズ」誕生。 |
次の百年へ
同じ名を冠する魚だからこそ、自然を相手にしながらも常に同じ品質に仕上げることが養殖家の役割です。市況ではなく品質で評価される養殖業を次世代に渡すべく「百年はまち」をつくりあげました。今後、4代目の長男の代から始まる次の百年続く養殖業にふさわしいハマチ・養殖業の在り方づくりに努めてまいります。