ひみつの昆布〆誕生秘話

ひみつの昆布〆誕生秘話

日本人にはあまり馴染みのない食材であるちょうざめを昆布〆で仕上げた「ひみつの昆布〆」。他に類をみないこの商品はどのようにして生まれたのか。生産者である春野キャビアヴァレーを運営する金子コード株式会社代表の 金子智樹さんと、監修したSTARCHEF 福躍匡史さんのお二人にその裏側を伺いました。


STARCHEF 福躍匡史さんと金子智樹さん


ー本日はお集まりいただきありがとうございます。また「ひみつの昆布〆」の販売決定、おめでとうございます。ちょうざめを使った昆布〆という新しい商品が誕生したわけですが、どういった経緯で生まれたのでしょうか?

金子:
ありがとうございます。始まりは去年の夏、福躍さんに春野キャビアヴァレーに来ていただいたのが一番初めでした。そこからちょうざめをお店で使ってみたいという話をいただいて。その後いろんな部位をお送りして、様々な料理を試作していただいたという経緯があるんです。

私の中では、ちょうざめ料理は福躍さんが日本で一番上手だと思ってます。うちもずっとちょうざめと向き合ってきたんですけど、そういう風な使い方するんだ、という感動ばかりでした。最初に作っていただいたのが南蛮漬けと、ぶり大根ならぬちょうざめ大根で、それがすごく美味しくて。あれ以来、本来のぶり大根もちょっと臭く感じてしまうぐらいになってしまいました。

そういう背景の中で、今回一緒に商品を作ろうと話した時に、まずは昆布〆から、という話になりましたよね。


福躍:
そうですね。まずは第一弾として、昆布〆がいいと思いました。ちょうざめの味そのものを知ってもらうには最適だと思って。基本的にはシンプルな調理法で、火を通さないお刺身というスタイルなので。実は奥が深いのですけれど。

金子:
私も料理をするので、魚を買ってきて昆布〆を作るんですけど、福躍さんのお店で食べるものとぜんぜん違うわけです。なんでこんなに違うのかな、と。

福躍:
塩の当て方、塩をして汗をかくタイミング、どこで昆布で締めるかなど、ポイントはいくつもあります。今回のちょうざめの昆布〆は、いい状態でお客様のもとに届くよう作ることができましたね。

 

ひみつの昆布締め


金子:
初めてに試作をしていただいたときに、製造から2日〜3日でピークが来てしまうということを仰って、それに対して、お客様に楽しんで頂く為にはもっと日持ちするように作って欲しいとお願いしたんです。
昆布〆という製法の特徴を考えると無茶難題をお願いしているかもしれない、とも思ったんですが、でも、なんとかするからと言っていただいて。

その後、本当に日持ちもするし味も良い完成度が高いものが送られてきて驚きました。

福躍:
いろいろ工夫をしています。ひとつは昆布です。私の選んだ昆布は、数ある昆布の中でも上品な味が出てちょうざめとの相性がすごく良いんです。昆布の旨味が徐々にちょうざめに染み込んでいったと思うのですが、いかがでしたか?

金子:
確かに、日々どんどん旨味が増して、フレッシュな味わいから、昆布がしっかり染み込んだ昆布〆好きが喜ぶ味になっていきました。毎日少しずつ食べながら、味の変化を楽しんでいました。

福躍:
良かったです。味の変化が楽しめるのも、ひみつの昆布〆の特徴ですよね。

 

春野キャビアヴァレー 

ー読者の中には、ちょうざめに馴染みがない方も多いと思います。ちょうざめという魚について教えて頂けますでしょうか。

金子:
海外に目を向けると、ちょうざめを知らないのは日本人だけじゃないかという感じです。

例えば、エジプトではハトシェプストが食べていたということで宮殿にレリーフが刻まれていたり、中国では秦の始皇帝が催す会議では必ずちょうざめを使うべしという記述が残ってたり。

現在ののチャールズ皇太子に至る初代のプリンスオブウェールズも、ちょうざめは非常に美味しくて健康にも良いということで、王室しか食べちゃダメだっていう法律を作ってしまったほどです。ロシアでも、スモークちょうざめは子供には食べさせるなというぐらい、高級で美味しいものと扱われています。どこの国に行っても非常に重宝される食べ物なんです。

日本でもかつては北海道にちょうざめがいたらしいのですがその数も少なく、日本には他にも魚が豊富にいるのであまり知られてこなかった。でも国内でちょうざめの養殖がようやく始まったので流通するようになってきました。ちょうざめを食べるという文化はこれからだと思ってるんです。

福躍:
ちょうざめ、広めていきたいですよね。

金子:
お店で出されているとき、ちょうざめと書かれたメニューを見て、お客さんはどんな反応されますか?

福躍:
正直「えっ?ちょうざめ?」、となるお客様はいらっしゃいますね。「ちょうざめってサメでしょ?食べれるの?」という方までいらっしゃる。でも皆さん、召し上がったあとは、美味しさを分かってくださいますよね。

「ちょうざめって美味しいんですね!」と感心されることはよくあって、それに関しては実は毎回、答えに迷うんです。ちょうざめって美味しいんだよ、と素直に答えてちょうざめの良さを伝えたい一方で、春野のちょうざめを自分が料理しているから美味しいんだよって言いたい気持ちもあるんです。

金子:
それはよくわかります。私もちょうざめって美味しいのと聞かれることはよくあって。ちょうざめはそもそも美味しい魚なんですけど、生息している環境によってすごく味が変化してしまう特性があります。

春野のちょうざめは、清流のきれいな水を使って育てることで臭みもクセもなく、本来持ってる旨味だけが現れてきます。それを福躍さんがわかって調理してくださるので美味しい料理ができあがる。


福躍:
そう思います。ま、結局、ちょうざめって美味しいんですよ、と素直に答えてしまうんですけどね(笑)



ー春野キャビアヴァレーは、世界中のVIPに愛される、あのHAL CAVIARの生産地でもあります。HAL CAVIARとの関係はいかがでしょうか?


金子:
やはり美味しいちょうざめからしか美味しいキャビアはできないというところを是非皆様に知ってもらいたいと思っています。逆に言うと、ちょうざめが美味しくないならばそこから生まれてくる卵も美味しくないんです。

そもそもはちょうざめというよりもキャビアを作ろうと思って事業をはじめました。世界一美味しいキャビアを作るためには水が一番大事だということに気が付いて、じゃあ日本で一番水がきれいな場所を探そう、北海道でも沖縄でもどこでもいいと探し回りました。

こうして見つけたのが春野町だったんです。清流のきれいな水が一年中絶対枯れない場所はなかなか日本でも少なくて。惚れ込んで地域の方にお願いして土地を譲っていただきました。

ただ、やはりキャビア事業を始めるとなるとちょうざめの肉はどうするという話になるわけです。半分はメス、残りはオスなので。そこでちょうざめを食べてみたんです。はじめてちょうざめを食べてみて、率直に美味しいなとは思いました。けど何か最後に残る臭みがあって。これさえなければ美味しいのになっていう感覚がありました。

今はその解決策も分かっています。春野のきれいな水の中で丁寧に育てることでちょうざめの美味しさだけが出てきて、余計な雑味を取り除く事が出来ています。


HAL CAVIAR

 

金子:
「ひみつの昆布〆」がちょうざめ初体験という方も多いのではないかと思います。春野町のきれいな水から生まれた美味しいちょうざめと福躍さんの技が組み合わさった、最高の商品ができました。世界中の王族や権力者がひみつにしたその味わいをお楽しみください。

福躍:
お店に来て美味しく食べていただくのと、ご自宅までお届けして美味しく食べていただくのはまた別物ですが、ひみつの昆布〆はその点もうまく仕上げることが出来た自信作です。ぜひお召し上がりください!


ーお二方とも、貴重なお話をありがとうございました!