飯塚 隆太

Ryuta Iizuka
飯塚 隆太
Ryuta Iizuka
「Restaurant Ryuzu」オーナーシェフ

ロブションの教えを受けて12年

世界で最も多くのミシュランの星の数を持つと言われたフレンチシェフのジョエル・ロブションのもとで12年間修業した経歴を持つ飯塚隆太シェフ。2011年にご自身の店「Restaurant Ryuzu」を東京・六本木にオープンし、その年の「ミシュランガイド 東京・横浜・湘南2012年版」でいきなり一つ星を獲得、2013年から2つ星をずっと維持してきています。

新潟県出身の飯塚シェフの将来の夢は、新潟の田舎で、クラフトフィッシュや野菜を生産し、全国配送ができるようなシステムを持つこと。そうすることで、地域の活性化や雇用創出の役にも立ちたいと語ります。

「新型コロナウイルス感染拡大で営業自粛を余儀なくされる中、レストラン経営に加えて他の事業もやらないと、と考えていた時に、私の田舎でこんなことができたらいいな、と考えるようになりました」と飯塚シェフ。

Restaurant Ryuzu

CHEF'S VOICE:
天然神話からクラフトフィッシュ認知の流れを作りたい

料理の世界に入って30年経ちますが、30年前の養殖のクオリティは正直厳しかったですね。脂が乗り過ぎてしまったり、餌の臭いがしたりして。

でも、今は格段に養殖の技術が上がり、私の店でも養殖の鯛などを使っています。目隠しして天然物と養殖物をブラインドテイスティングしたら、意外と養殖の方が美味しかったりします。

日本人はどうしても魚については天然志向が強いですが、天然の魚が必ずしも美味しいとは限りません。天然だからこその旬のズレや個体差があったり、値段の割には美味しくなかったりすることは多々あります。

そう考えると天然資源が減っていく中、美味しく安全な養殖の魚が安定供給されれば需要は高まってくるでしょうし、逆にそうしていかないと食料がどんどん減ってしまいます。

早くクラフトフィッシュが認知され、大多数の人に選ばれるようにならないと……そのためにも生産者さんたちと協力してこの取り組みを進めていきたいと考えています。

PROFILE

Ryuta Iizuka
飯塚 隆太
Ryuta Iizuka
「Restaurant Ryuzu」オーナーシェフ

1968年新潟県十日町市生まれ。大阪辻学園調理技術専門学校を卒業後、数店を経て、1994 年「タイユバン·ロブション」の門を叩く。1997年渡仏、「トロワグロ」「ジャンポール ・ジュネ」、ルクセンブルグ「レア・リンスター」等で修業。12年間のジョエル・ロブション氏の元での修業を終え、2011年に「Restaurant Ryuzu」を開店。ミシュランガイド東京2013年版より2つ星評価を維持している。