山脇りこ

Riko Yamawaki
山脇 りこ
Riko Yamawaki
料理家

シンプルで簡単、そして作りたくなる楽しいレシピを

長崎市の観光旅館に生まれ育った、料理家の山脇りこ先生。幼い頃から、芳しい出汁の香りと共に目覚めていたという経験から、出汁には特にこだわりがあります。料理本のアカデミー賞といわれる「グルマン世界料理本大賞2014」で、日本の伝統食材である昆布の出汁とレシピをまとめた『昆布レシピ95』がグランプリを受賞するという経歴の持ち主です。

考案するレシピはシンプルかつ簡単、そして楽しいものが多数で、「きょうから料理上手」(家の光協会)、「酔っ払ってても作れる 10分つまみ」(KADOKAWA)など、気軽に作ることができるレシピ本を出版するほか、WEB Magazine「AMARC」では「身体リセット 3×3レシピ」、OurAge(集英社)をでは「ONEレシピ」を連載中。幅広い年齢層から支持されています。

また、代官山の「リコズキッチン」では、「旬のクラス」「自家製クラス」「おだし教室」などのテーマを設定したユニークな教室を開催。豊富な知識と絶妙なトークで、何度でも通うファンが多いと評判です。

Riko Yamawaki

CHEF'S VOICE:
“良心的な養殖”をブランドに

漁業関係者の方とお話ししていて、養殖はずいぶん進化しているのだ、と知りました。昔の養殖は安く大量に売ることをめざしていたと思うのですが、今は“理想的な魚”をつくる養殖があることも教えられました。とはいえ、天然と養殖がお店に並んでいたら、天然を選ぶ人が多いかと思います。しかし、養殖=代替品、次善のもの、ではない時代になってきたのかな、と思います。

何を食べ、どんな環境で育ってきたかが、大きく影響するのは、野菜も、肉も、魚も同じです。養殖であっても、いや養殖だからこそ、なにを食べ、どう育ってきたかの「生い立ち」がはっきりした魚=クラフトフィッシュが出てきて、安全で、しかもそれが美味しかったら、多くの人に愛される可能性はあるのではないでしょうか。

なにより、タンパク源はこれからどんどん足りなくなり、争奪戦になるとも言われています。昆虫も育てて食べようという時代。サステナブルな方向を目指し、しかも消費者に安全を届ける“良心的な養殖”であるクラフトフィッシュの未来に、かなり期待しています。


PROFILE

Riko Yamawaki
山脇 りこ
Riko Yamawaki
料理家

うまみのかけあわせ、伝統的な製法で作られた調味料、旬と走りを大事にしたシンプルな料理に、現代のモダンなエッセンスを加えて“作る楽しみ”とともに家庭料理を日々提案している。食材から味をひきだし、調味料は基本のものを最小限に、ひと手間は惜しまず、調理はシンプルに、という引き算の料理を得意する。日本テレビ「3分クッキング」、N H K「あさイチ」ほか、幅広くメディアに出演。『かけこみおだし塾』(講談社)、『明日から料理上手』(小学館)、など著書多数。東京・代官山で料理教室「リコズキッチン」を主宰。