平野 敬祐

Keisuke Hirano

平野 敬祐
Keisuke Hirano
「gentil H」料理長

歴史や先人の努力に敬意を評し、普遍的な価値を提供したい

料理学校在学中の渡辺 雄一郎シェフ(元ジョエル・ロブション総料理長、現Nabeno-Ism)との出会いをきっかけにご自身の進路をフランス料理へと定めた平野シェフ。その後は渡辺氏が総料理長を務めるジョエル・ロブションで料理人としてのキャリアをスタートさせます。

そんな平野シェフの料理は見た目にもとても美しく、その一皿に込められた芸術を洗練された技術が支えます。その技術の礎ともなったジョエル・ロブションでの5年間で前菜・魚・肉と多くの経験を積む中で、最も長く担当したのが魚を扱うポジションでした。

平野シェフは当時のことを振り返り、「分業制も一般的ななか、ジョエル・ロブションでは幸運なことに魚を捌いてから火を入れるところまで一貫して担当できました。毎日たくさんのお客様をお迎えするために多くの魚に触れる中で、魚にも個体差が大きくあることやその差への対応方法を学ぶことが出来ました」と語ります。

「ブルゴーニュのLe Carminで修行期間は初めは言葉こそ分からなかった事もあるが、日本でしっかり鍛えてもらったおかげで自分の仕事をきちんとすることが出来た」と回想するように、技術に裏付けられた王道で普遍的な価値を提供し続けたいという思いがあります。

その技術は帰国して27歳の若さでgentil H(ジョンティ・アッシュ)の料理長に抜擢される事で更に磨きがかかり、「現在のポジションについてからより自身の料理に進化を感じます」という平野シェフ。次代を担う期待のシェフです。

平野シェフのお料理

CHEF'S VOICE:
食に携わる全ての人間が協力することでサステナビリティを

魚は日本人が一番ストレスなく食べられる食材だと思います。家庭でも食べられる機会が豊富だからこそ、お店で提供するものにはそれ以上の美味しさや食材の可能性を感じてもらえるような料理を提供したいです。

養殖についても、養殖だからこその価値がある魚がたくさん生まれてくることが楽しみです。また養殖だからこそ扱うことが出来る魚種もあると思うので、そういった点にCRAFT FISHに期待しています。

海をサステナブルな状態に近づけていくためには料理人だけの行動では難しさもあると感じています。魚を無駄なく使うことも大切ですが、それ以上にサプライチェーンに関わる全ての人が協力して状況を変えていく事の必要性を感じます。その中で、料理人として食材を磨き上げて最高の状態で提供するという自身の役割を果たすことが出来ればと考えています。

 

PROFILE
Keisuke Hirano

平野 敬祐
Keisuke Hirano
「gentil H」料理長

静岡県出身。辻調理師専門学校在学中に外部講師として招聘されていた渡辺 雄一郎氏の講義をきっかけに、自身の進路をフランス料理へ。卒業後は渡辺氏が総料理長を務めるジョエル・ロブションから料理人としてのキャリアをスタートさせ、5年間で様々なポジションでの経験を積む。その後はフランス・ブルゴーニュにある一つ星レストランLe Carmin(ル・カルマン)での修業を経て、27歳の若さでgentil H(ジョンティ・アッシュ)の料理長に就任。