サクラマスと野菜のテリーヌ/サクラマスのルイベ

サクラマスと野菜のテリーヌ/サクラマスのルイベ

美しい桜色の身と上品な脂のり。本来の姿を取り戻した宮崎大学発のサクラマス

漁獲量が少なく高級魚として知られるサクラマス。そのサクラマスを自然に負荷をかけない独自の手法で養殖しているのが、宮崎大学発のベンチャー企業「Smolt(スモルト)」です。海上のいけすで育てた養殖サクラマスを淡水の水槽に移して採卵し、孵化した仔魚を再び養殖するという「完全循環型」の養殖技術は、同大学が地元の養殖業者と約10年にわたって行ってきた研究の末に確立したもの。自然の海がさまざまな環境変化の影響を受ける今、養殖こそ本来のサクラマスの美味しさと日本の漁業文化を継承する手段だといいます。この「Smolt」のサクラマスの美味しい食べ方を、クラフトフィッシュのスターシェフの一人、料理家・山脇りこ(やまわき りこ)さんに伺いました。

山脇りこ

山脇りこさんは、長崎市の観光旅館生まれ。幼い頃から、日常には芳しい出汁の香りと新鮮な海の魚があふれていたといいます。「海の魚は身近でしたが、実は川魚は少し馴染みが薄かったこともあって、“淡水魚には臭みがある”というイメージが長く拭えずにいました。それに、天然のマスやサケは寄生虫がいる可能性が高いため、基本的に生で食べるのはNGと思っていました。でも『Smolt』のサクラマスは、生食も大丈夫とお聞きして、びっくりしました。料理の幅が広がりますよね」。

まず山脇さんの目を引いたのは、淡い桜色の身です。市販の養殖のサケやサーモンは、鮮やかな赤い身がウリにされることも少なくありませんが、実はそれらの多くは餌に赤色の色素を混ぜて意図的に作られたもの。「Smolt」では、このような色素を含まない安全な飼料を与えているため、サクラマスそのものの自然な色の身になります。
さらには、山から海、そしてまた山へと成長に合わせて生きる場所を循環させるサクラマスの生息スタイルを養殖でも再現。それぞれの環境に適応しようと変化する魚自身の能力を引き出すことで、サクラマスの本来の姿と美味しさを実現しました。昨年からはより臭みを軽減するために、漁獲直前に新鮮な湧水に馴染ませる方法も採用。日本の水産業や魚食文化を未来へ残していくために、「Smolt」の研究は今もなお続いています。

サクラマスの身

サケやサーモンよりもやや淡白で、上品な味わいもすごく印象的だったと語る山脇さん。「一般的な養殖のサクラマスよりも、すっきりとくどくない味わいでした。ほどよい脂のりでとろりとした舌触りが楽しめますね。青魚でもほかの白身魚でも味わえない、サクラマスならではの美味しさなのかな、と思います」。

食卓を彩る桜色のオードブル 「サクラマスと野菜のテリーヌ」「サクラマスのルイベ」

出汁にこだわり、食卓が華やかになる料理を得意とする山脇先生が今回考案してくれた「Smolt」のサクラマスを使った料理は全部で3品。はじめは、生のサクラマスで作る「サクラマスと野菜のテリーヌ」と「サクラマスのルイベ」です。通常、天然のサケやマスにはプランクトン由来の寄生虫が付きやすいため生では食べられませんが、独自の配合飼料と衛生的な管理の下で育てられた「Smolt」のサクラマスは生食も可能。「安心して生でも食べられるサクラマスとお聞きしたので1品は生で。もうひとつは伝統的な調理法のルイベでご紹介したいと思いました。テリーヌは、上品な味わいと淡い桜色を活かしたかったので、主張しすぎないよう味付けは塩だけです。ルイベは昔ながらの定番料理で、通常は寄生虫を殺すために24時間以上冷凍しますが、こちらは生でも食べられるので、10時間ほど凍らせるだけでできます」(山脇さん)。

「サクラマスと野菜のテリーヌ」

材料

桜鱒のテリーヌの材料

 Smolt サクラマス スライス 三枚おろしにしたフィレを薄くスライスしたもの 7枚
Smolt サクラマス 柵 30g
小さじ2
パプリカ(赤) 1個
じゃがいも 小1個
オクラ 4本
ブルーチーズ 60g
アガー(ゼラチンでも可) 7g
*白ワイン 20ml
*塩 小さじ1/2
*水 180ml
*レモン汁 小さじ1
チャービル(飾り用) 少々

作り方

1.  食材の下ごしらえ
パプリカはグリルなどで全体が真っ黒になるまで焼き、粗熱が取れたら芯を取って皮をむきます。じゃがいもは塩茹でして皮をむきます。それぞれ1センチ角の棒状に切ります。オクラは軟らかめに茹で、ヘタを取っておきます。

ブルーチーズは1センチ角の棒状に切ります。6本用意してください。

サクラマスの柵は1センチ角の棒状に切ります。2本用意してください。スライスしたサクラマスと一緒にバットなどに並べて、全体に酢をふりかけて5分おきます。

「サクラマスは表面が少し滑りやすいので、切るのが難しい場合は冷凍庫に1〜2分入れて軽く凍らせると切りやすくなります」(山脇さん)

テリーヌ型に具材を並べる

2.  テリーヌ型に具材を並べる
テリーヌ型にオリーブオイル(材料外・香りが強くないものがよい)を指で薄く塗り、スライスしたサクラマスを型に沿わせて並べます。

その上に、野菜とブルーチーズの半量を断面を意識しながら縦に並べていきます。中段に棒状のサクラマスを挟み、さらに残りの野菜とブルーチーズを並べます。

3.  ゼリー液を作る
鍋に*を合わせて火にかけ、沸いたら火を止めてアガーを加えて溶かします。

今回はサクラマスや野菜の色味をキレイに出すために、より透明に仕上がるアガーを使いましたが、もちろんゼラチンでもOKです。ゼラチンを使う場合は、あらかじめ水大さじ1にゼラチンを加えてふやかしてから鍋に加えてください。ただしゼラチンは沸騰している状態でいれると固まらない場合があるので、80度くらいでいれてください。
 

4.  型に流し入れ、冷やし固める
2に3のゼリー液を流し入れます。数回に分けながらしっかり底までゼリー液を流し込んでください。5〜6時間ほど冷蔵庫で冷やし固めます。
 

型に流し入れ、冷やし固める

カットして盛り付けて完成!

サクラマスと野菜のテリーヌ

5.  カットして盛り付けて完成!
型から抜いて好みの大きさに切り、皿に盛ります。チャービルを飾って完成です!

「型から抜く時は、型の周りを手で覆って少し温めると抜けやすくなります。また、テリーヌをカットする時は、包丁を都度濡らすと上手に切れますよ」(山脇さん)

塩と白ワインのシンプルな出汁がサクラマスの甘みを引き立て、そこにブルーチーズのパンチが加わることで全体が引き締まり深みも増します。チーズのクリーミーさとサクラマスのとろりとした食感の相性も抜群。ぜひ白ワインやシャンパンなどと一緒にお召し上がりください。

 

「サクラマスのルイベ」  

材料

ルイベの材料
 Smolt サクラマス柵 お好みの量
合わせ醤油 バルサミコ酢:醤油=1:1

 

サクラマスの皮と骨を取り、凍らせる

1.  サクラマスの皮と骨を取り、凍らせる
三枚おろしにしたサクラマスの皮を引き、柵にして骨を取ります。ラップで包んで冷凍庫で10時間凍らせます。

「ルイベは、凍らせた魚を半解凍の状態で刺身にして食べる北海道の郷土料理の一つ。通常は軽く塩をして、余分な水分と臭みを抜いてから冷凍することが多いのですが、Smoltのサクラマスは臭みがないのでそのままでOKです」(山脇さん)

 ルイベの盛り付け

サクラマスのルイベ

2.  半解凍し、切って盛り付ける
バルサミコ酢と醤油を1:1で合わせておきます。サクラマスは冷蔵庫に移して半解凍状態にし、食べやすい大きさに切って皿に盛ります。合わせ醤油を添え、冷たいうちに召し上がってください。

今回の合わせ醤油のほかに、山椒オイルなども山脇さんのおすすめだそう。口に入れた瞬間は冷んやり・シャリッとした舌触りが楽しめ、口の中で溶けるにしたがって甘みが増し、とろりとした食感に変化します。

 どちらも一品あるだけで食卓が華やかになる料理。「Smolt」のサクラマスだからこそ味わえる、本当のサクラマスの美味しさをぜひ体感してみてください。

写真・広瀬美香 文・山本愛理

食卓を彩る桜色のオードブル  「サクラマスと野菜のテリーヌ」「サクラマスのルイベ」


つきみいくら
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Sale price¥5,000
冷凍
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つきみいくらは桜鱒(さくらます)からとれる金色のいくらです。桜鱒とは冷たい淡水の河川に住む山女(やまめ)が海に降った姿の呼称で、日本固有の鮭の仲間です。

桜鱒は自然界では数が少なく、幻の魚とも言われています。独自の養殖工程で育てられた桜鱒のいくらはうつくしく、まるく、金色に輝きます。そのいくらを、新鮮なまま秘伝の味付けで仕上げました。お出汁の風味とすっきりとした優しい味わいをお楽しみください。

CRAFT FISH スターシェフ 福躍匡史氏 監修。

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