永島 健志

Takeshi Nagashima

永島 健志
Takeshi Nagashima
「81」オーナーシェフ

独自のスタイルを貫く“永島ワールド”

1日12席限定で、一斉にディナーがスタート。ほの暗い空間の中、席に案内されると目線は自然とライトアップされた厨房に向かいます。キッチンが舞台のような演出の中、永島シェフ率いる「81」のスタッフの一糸乱れぬチームワークで、夢のようなディナーが進んでいきます。それはゲストも永島ワールドの一員となり、一つのエンターテインメントを作りあげているかのようです。

高校を卒業後、自衛隊護衛艦の調理室に配属になったことがきっかけで、料理の世界に足を踏み入れたという永島シェフ。その後、東京・青山にあるイタリアンの老舗「サバティーニ」など、クラシックなイタリアンで働いてきた永島シェフに大きな影響を与えたのは、世界で最も予約の取れないレストランとして有名だったスペインの「エル・ブリ」で修業したことでした。

「“こうでなければ・こうあるべき”というルールが多いこの業界で、シェフのフェラン・アドリアは料理の根本に立ち返ろうという思考がものすごく強かった」と語るように、「エル・ブリ」での経験が、イタリアンでもスパニッシュでもない、“永島ワールド”を確立することになりました。

81

CHEF'S VOICE:
海を休ませるため、アクションあるのみ!

今までの価値観では、「これ、天然ですか? 養殖ですか?」とお客様に質問された時に、「養殖です」とは言えませんでした。でも、これからはもうそんなことも言っていられません。天然vs養殖ではなく、“クラフトフィッシュ”という新しい価値観を育てるというこの取り組みを通じて、「Aさんという生産者さんが育てたクラフトフィッシュですよ」と、胸を張ってお客様に提供できるようなクオリティの魚を、生産者さんと一緒に作り上げていきたいと考えています。アクションあるのみです。

養殖といっても手段は色々あり、卵の孵化からというのもあれば、稚魚から育てるといったものまで様々です。これまでも当店では、海から獲ったばかりの魚ではなく、いったん生簀で休ませた水産物を使ってきました。出荷を調整できるこの方法も、海を休ませる一つの手段。こうした取り組みも進めていきたいと考えています。

PROFILE

Takeshi Nagashima
永島 健志
Takeshi Nagashima
「81」オーナーシェフ

愛知県出身。イタリアンの名店「サバティーニ」などで経験を積んだ後、当時、世界で最 も予約の取れなかったスペインの伝説的レストラン「エル・ブリ」にて修業。料理界の革命児と言われたオーナーシェフのフェラン・アドリアに師事する。帰国後に「81(エイテ ィワン)」をオープン。「自らの仕事はお客様を喜ばせること」と語るとおり、その自由な発想から生み出される料理は、驚きと新しい発見の連続である。