廣澤 将也

Masaya Hirosawa
廣澤 将也
Masaya Hirosawa
「蓮心」シェフ

ツテもなく飛び込んだ香港での経験が自信に

2019年6月に大阪の北新地にオープンして以来、「最も予約が取りにくい店」と評判の創作中華料理店「蓮心」。オーナーシェフの廣澤将也さんは、京都・祇園の名店「蓮香」の料理長を務めた経歴の持ち主で、北新地の新店も当時からの常連をはじめ、多くの食通に高く評価されています。

廣澤シェフがキャリアの中で「大きな自信となった」と振り返るのが、香港での半年間の修業。

「当時、自分のやりたいことがお客様に伝わっていないように感じていました。それで本場で修業をしたいと、ほぼ飛び込み状態で香港に行きました。ある日、3か月間修業させてもらえることになった店のシェフに何か作ってみるかと言われ、シェフが作るのを見て覚えていた卵白チャーハンを作ったら、すごく褒めてもらって……。その日から2番手の鍋のポジションを与えてもらい、3カ月間ずっと毎日、朝から晩まで鍋をふっていました。」

「日本で積み重ねてきたことと、調理場でいかにみんなの仕事がやりやすくなるかを考えて動いていた私をシェフが認めてくれたのだと、うれしかったですね」。

こんなエピソードからも、廣澤シェフの真面目な人柄と実力が伝わってきます。

 Masaya Hirosawa

CHEF'S VOICE:
料理人の理想の味が作れる。それがクラフトフィッシュの強み

現状では天然物を使うことがまだ多いですね。ツブ貝やシャコなど、中華で使う魚で養殖されていないものが多いからです。でも技術が発達して中国でよく見るようなサイズの大きいツブ貝やシャコが養殖されたら、料理の幅も広がりそうです。

また、天然物にはそもそも味の改善という選択肢はないわけですが、クラフトフィッシュならできるわけですから期待が高まります。たとえば牡蠣の独特な磯臭さや苦味を、旨みは残しつつも消すことができたら素晴らしいですね。

クラフトフィッシュはこれから発展していく新しい分野だからこそ、料理人と生産者とで進化させていけると大いに期待していますし、私もその取り組みの輪に入らせていただけることをとても光栄に感じています。

PROFILE

Masaya Hirosawa
廣澤 将也
Masaya Hirosawa
「蓮心」シェフ

愛知県一宮市生まれ。高校卒業後、大阪の辻調理師専門学校で学ぶ。「赤坂璃宮」にて修業、2番手の鍋のポジションまで経験する。25歳で京都・祇園の「蓮香」調理長に就任。「蓮香」在籍中に香港に渡り、「陶源酒家」で副料理長のポジションを得る。その後、「富嘉閣」で料理と点心を修業する。2019年6月に30歳で独立。大阪市・北新地に「蓮心」をオープンさせた。