長屋 英章

Hideaki Nagaya
長屋 英章
Hideaki Nagaya
「Food design by HIDEAKI NAGAYA」代表

ユニークな発想から生まれるポエティックな料理

油絵が趣味の父親と華道と茶道の師範という母親のもとに生まれ、幼い頃からアートが身近な存在だったという長屋英章シェフ。常に新しいもの、美しいものに興味を寄せ、料理に取り入れようとする好奇心と探究心で溢れています。

“道端ですれ違った女の子がかぶっていた花を刺した麦わら帽子の記憶”からインスピレーションを得てデザートをつくるなど、独創的な発想から生み出される料理の数々は、一遍の詩のような美しさと愉しさがあります。

生涯の師匠と仰ぐ『NARISAWA』の成澤由浩シェフとの出会いが、環境問題やサスティナビリティ問題に取り組むきっかけに。世界に誇る魚食文化を育んできた日本こそ、海の資源保護活動に真剣に取り組むべきと語ります。

長屋 英章シェフのお料理

CHEF'S VOICE
香港で崩れた天然神話。日本発のクラフトフィッシュを世界へ!

香港でレストランをやっていた時に、桜の季節に日本の方なら喜んでくださる天然の桜鯛の料理をお出ししたのですが、香港のお客様にはその良さをまったく理解されませんでした。

香港では、脂ののったマグロやブリなどの魚が好まれる傾向にあります。また、養殖でも味さえよければいいと、天然物にこだわりはありません。それを目の当たりにした時に、私の中で魚に対する“天然神話”が崩れました。

歴史的に長らく魚を食べてきた我々日本人が天然物にこだわってしまっては、どんどん海の資源を枯渇させてしまいます。それよりも、安心安全で美味しいクラフトフィッシュを選ぶことの必要性が、遠い将来ではなく、すぐそこまでやってきていると強く感じます。

そのためにも、我々料理人が先陣を切って旗振りをし、消費者の方にクラフトフィッシュの良さを伝えていきたいと思います。

今、日本で和牛の飼育をはじめていますが、近い将来は野菜も魚もすべて自給自足でレストランをつくりたいと思っています。その目標に向かって、生産者さんと一緒に高品質なクラフトフィッシュを生産し、国内だけでなく世界に向けて発信していきたいと考えています。

香港の街

PROFILE

Hideaki Nagaya
長屋 英章
Hideaki Nagaya
「Food design by HIDEAKI NAGAYA」代表

2017年に香港に移住し、イノベーティブなレストランをプロデュース。香港という国際都市を舞台に、日本の優れた食材を使用した料理で舌の肥えた富裕層を魅了。2018年には「JAPANESE CUISINE TOP 5 CHEF IN HONG KONG」に選ばれる。現在は東京で「Food Design by HIDEAKI NAGAYA」を立ち上げ、“食の新しい価値をデザインする”をコンセプトに、国内外のレストランのプロデュースをしている。