古田 崇
古田 崇
Takashi Furuta
「ARBOL」 オーナーシェフ
レストランとは、生産者の想いを伝える場所
調理師学校を卒業した後、ジャンルにこだわらず様々な店で修業、オーストラリアでも働いた経験を持つ、「アルボール」オーナーシェフの古田崇シェフ。その後、入社した株式会社ADエモーションで新規レストランの立ち上げを経験した折に、食材の生産現場を訪れるきっかけを得たといいます。そこで初めて、食材の後ろに隠れたストーリー、生産者の苦労や熱い想いに気づいたそうです。
古田シェフの店がそれほどの人気店となった背景の一つに、長い時間をかけて築き上げた生産者さんとの強い結びつきがあります。レストランとは、一人一人の生産者さんの物語をお客様に伝える場所、と古田シェフは考えています。

CHEF'S VOICE:
“養殖の魚=美味しくない、安全でない”というイメージを払拭したい
虎ノ門ヒルズ内に、魚料理を中心に提供するイタリアン「アルボール虎ノ門ヒルズ」を5年前に立ち上げました。それ以前は、実家が寿司屋ということもあり、魚にはこだわりがありましたし、天然の魚の方がいいと考えていました。
でも、虎ノ門ヒルズ店を出す時に、愛媛県の魚の生産者さんに「ぜひ一度見にきて欲しい」と熱心に誘われて……そんなに言うなら、と軽い気持ちで現地に行ってみたら、育て方はもちろんのこと、東京に配送する間に魚が傷つかない工夫をするなど、非常にレベルの高い仕事をされていました。まさに、実際に見て、お話を伺って、眼から鱗が落ちる思いでした。
また、岩手県のウニの生産者さんの養殖現場も見学させていただきましたが、非常にレベルが高くて味もよく、しかも天然と比べて安定供給ができると、まさにいいこと尽くし。もう 当店で扱う魚はすべて養殖でいい、とまで考えるようになりました。
一般的には、まだまだ“養殖の魚=美味しくない、安全でない”というイメージが強いですが、クラフトフィッシュでの取り組みを通じて、そのギャップを少しずつ埋めて、ご家庭のテーブルにクラフトフィッシュが届くようになればと願っています。

PROFILE

古田 崇
Takashi Furuta
Takashi Furuta
ARBOL オーナーシェフ
予約の取れないイタリアンとして有名な「アルボール」(東京・神楽坂と虎ノ門ヒルズ)のオーナーシェフ。鹿児島県の豚肉の生産者との出会いがきっかけで、食材に込められた生産者の想いを、料理を通じてお客様に届けることがライフワークに。養殖の魚にもいち早く注目し、積極的に使用している。2020年7月にはモダンチャイニーズ「淡路町 雅宝 アルボール」をオープンさせた。